遊んでいるときには
せまいせまいというて 遊んでいる
朝会のときに石を拾わされると
広い広いというて 拾うている 「運動場」
六波羅蜜の「智慧」とは何かを考えるうえで、小学生4年生が書いたこの詩は大切なことを教えています。
仏弟子である私たちが「智慧をいただく」とは「自分のなかに、真理を認識して判断する力──智慧がある」と気づき、その「智慧」を日々の生活の折々にはたらかせることです。
「世界を空(くう)なりと観ぜよ」という釈尊の言葉は、「自分の思いどおりにしたい」というわがままな心、欲望や執着をコントロールする「智慧」を身につけるためのヒント。自分勝手な思いや都合で「せまい」とか「広い」と評価したり、価値判断したりするのはやめようということです。
今月は、事実を素直に受けとめ、持ち前の「智慧」をはたらかせて、澄み渡る秋空のような清々しい気持ちで、他者を思いやる菩薩としての歩みに、お互いさま自身をもってふみだしてまいりたいです。合掌
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Info
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∈『心田を耕す』庭野日鑛/ 佼成出版社
冒頭の詩が引用されている著書です。
庭野日鑛(にわの・にちこう)会長は、1938(昭和13)年3月20日、東京都中野区に生まれました。立正大学仏教学部卒業、同大学院修了後、本会に入職。布教本部長、学林学長を歴任しました。1991(平成3)年11月15日、法燈継承式で庭野日敬開祖から会長位を継承し、第二代会長に就任。法華経を基盤とした庭野開祖の教えをもとに、常に仏教の大道を正しく歩む教団でありたい、との願いを胸に布教伝道の日々を送っています。
また、現在は(公財)WCRP(世界宗教者平和会議)日本委員会会長をはじめ、同国際委員会名誉会長、ACRP(アジア宗教者平和会議)共同会長、(公財)庭野平和財団名誉会長、(公財)新宗連(新日本宗教団体連合会)顧問などを務め、国内外で宗教協力活動を推進しています。著書に『心のなかの散歩道』『すべてはわが師』『明日に向かう』『ブッダロードを行く~西安からウルムチへ』『心田を耕す』『こころの眼を開く』など。
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