1/11/2023

退歩を学んだ日々(杉山支部長)

この記事は、昨年(令和4年)6月4日開祖さまご命日にYouTubeで配信した、杉山佳重支部長のお話(アーカイブ)より、抜粋してお届けします。

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◆相手に変わって欲しい自分

 この2年半は皆さんにとってどんな時間でしたでしょうか?

 今日は、私にお話しをするようにとお時間を頂きましたので、コロナ禍で考えたことをお話させて頂きます。
 主人が在宅勤務で、家でずっと座ったきりで仕事をしていました。一昨年ですが、胆石の発作を起こし、2回目の発作なので胆のうを摘出することになり、元々糖尿病でしたが、手術をしてもらい、おかげさまで回復することができました。
 その代わり、セルフケアとして、毎日ウォーキングで血糖値を下げることになりまして、入院がきっかけで生活を見直すことができました。

 こうして、私に夫といる時間ができてきますと、「いけない、いけない」と思っていても、思い通りにしたいという欲求が出てきます。断捨離して、私はどんどんスッキリしていくのですが、主人の部屋を見ると、気になって気になって仕方なくなってきました。主人は捨てない人なんです。どうしても捨てたいと思う私と対立します。こうなると、仕事をしている主人に感謝じゃなくて、イライラがつのってくる、いつものパターンです。
 でも片づけを手伝ってくれた妹から「他の部屋が綺麗に片づけば、自分の場所もキレイにしたくなるんじゃない」と諭されて、諦めることができました。が、主人は最近本当に自分で整理を始めまして、ワクワクしていたのですが、やはり廃棄物はゼロで、紙くずがちょびっとなんです。変わって欲しいって思うのをなかなかやめられない私ですね。


◆退歩を学べ


 そんな時、本を整理していて、買っていたけど読んでいなかった本を見つけてしまいました。『退歩を学べ』(森政弘/アーユスの森新書)という本です。作者はあのロボット博士の森政弘さん。退歩って進歩の逆だと思っていたので、今は活動が止まっているので、退歩だと考えたんですね。が、それはちょっと違っていました。「進歩とは外側のことで、退歩とは内側の心のことを言う」と、道元禅師のお言葉を引用されています。分かりやすくたとえると、蠅が外へ出たくて窓ガラスに前進姿勢でもがいている。でもそこには、透明なガラスが立ちはだかっているので外へ出られないのを、見たことありますよね。

 「ハエに退歩する知恵があったならば、後ろへ引いて、視野が広がり、窓の端には、本当に開いた場所が見え、わけなく助かるのだ」と、森博士は仰っていました。そこを読んで「私もハエと同じだったのかもしれない」と思いました。毎日教会へ行き、当たり前のように、予定に従っていろんな事にあたっていたけど、内側の奥底にある自分の想いに蓋をして走っていたのかもしれないと、つくづく考えさせられました。急にステイホームと言われ、人とは会えないことに、大変戸惑う毎日になったわけですが、この本は、そんな私の迷いに、一つの答えを頂けたと思います。


◆退歩するだけの心の余裕があるか

 「肝心なのは、このガラスの存在を見抜く力と、退歩するだけの心の余裕があるかどうかだ」とありました。ですから、教会がお休み状態ではありましたが、その間に大切なもの、変えていく必要のあることなど、みんなで考えていく時間を頂いたのだと思いました。少し離れて見る「退歩」ですが、2年の時間はそうした心の余裕を普段から持つことの大切さを教えてくれたのだと気づきました。

 皆さんと会えないことを経験してみて言えることは、佼成会の人の温かさは、ずば抜けていると思ったことです。それは当たり前ではないなという感動でもあります。当たり前になっていたことも、退歩でみると、例えば主人の胆のう摘出手術が、糖尿病の本格的な治療に繋がったのだという感謝が見えてくるんだなと思いました。

 興味のある方はぜひ、読まれては如何かと思います。


 info
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▲タッチすると「ちえうみ」サイトへとびます。

無料コンテンツに、本記事で紹介された『退歩を学べ』(森政弘/アーユスの森新書)がアップされています。
登録のうえ、ダウンロードすると、スマホやPCなどで著書の全文をお読みいただくことができます。

森政弘(もりまさひろ)
1927年(昭和2年)、三重県生まれ。名古屋大学工学部電気学科卒業。工学博士。
日本ロボット学会名誉会長、中央学術研究所講師。ロボットコンテスト(ロボコン)の創始者であるとともに、約40年にわたる仏教および禅研究者としての著作も多い。

1/10/2023

【府中教会ボサツ☆メンバー紹介】NO MUSIC,NO LIFE.山原利公&里予夫妻

 府中教会にオシドリ夫婦は多けれど、この二人ほど楽しげで周りを明るくするコンビはいないだろう。

いつのお写真でしょうか…


令和5年会長先生 年頭法話のヘッドラインは、
▶身を修め、家庭を斉えることなしに国の平和、世界の平和はあり得ない
▶皆共に、日々感謝の心で目覚めて元気で生き生きと精進していこう

名コピー「NO MUSIC,NO LIFE.」に肖るなら、山原夫妻が体現するのは「NO 斉家,NO 平和.」。
年頭法話で示された要訣でもある。

府中教会では、壮年支部副部長の山原利公(としまさ)さん地区主任の里予(りよ)さん
夫婦共にお役をされているお二人に、これまで歩まれてきた信仰や夫婦仲良しの秘訣などを聞いてみた。
(聞き手:佐藤)
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◆供養がつないだ縁

──里予さんは府中教会で様々な役を歴任されましたね。

里予 はい、女子支部部長、教会女子部長、地区主任、教務員、婦人部長、青年部長。そして、今、主任と教務員をしています。
お役のおかげさまで様々な経験ができました。苦手な事が少なくなり、人が好きになりました。
先日、教務員仲間と話をしていて「私たちってちょっと端っこにいる人のそばに近寄っていく習性があるよね。仏性を探しにいっちゃう」と。だから楽しいですね。

──仏性探しが楽しいと。

里予 怒りや反発の言葉の裏側には、仏性がうずいていると教えてもらったことがあります。
そのような人に信頼してもらえる自分になれるよう、話しかける努力をすると、新しい関係が生まれることが嬉しいです。信頼してもらえるよう心をニュートラルにできるのは、主任や婦人部長のお役をしてからだと思います。

──それまでは心が平らではなく、もっと感情を出していたこともあったのですか。

里予 婦人部長のときも感情を出していましたね(笑)

──そんな里予さんが、激しい感情を出していたころも知っている利公さん。
ぜひ、お二人のおなれそめを教えていただけますか。

利公 はじめは大橋壮年部長(里予さんの兄)と友達だったからですかね。奥さんとは8歳違うのですが、高校生のころから見かけてました。
話すようになったのは、うちの母親の四十九日に奥さんが来てくれてからですね。

──お母様がつないだご縁なのですね。

利公 母親が亡くなる少し前に、酒に溺れる父のもとで苦労した事や、精一杯真面目に信仰してきた母がガンになった事で苛立つ私に「だれも恨んじゃいけないよ」と言っていました。そんなには長く生きられないなら、母親の願いに沿ってみようと思いました。佼成会を否定すると母親を否定することになるので、母親の信仰を自分も精一杯やってみようと。実際、余命三カ月のところ一年間生きて、そのあいだ、少しでも親孝行ができたし。
奥さんとは府中教会のサイパン慰霊参拝で一緒だったことがきっかけですね。自分が素のままでいられる人だったからです。

──一緒にいると居心地がよかったのですね。

利公 ただ、あのころはこちらに合わせてくれてたのね、と最近はわかってきました。思っていることは言ってくれないと分からない。やってほしいこと、やってほしくないことは言葉にして伝えてほしいのですが、奥さんは気遣いの凄い人なので、言わないことがある。だから、だいたい年末ごろには爆発してしまう。突然の爆発に驚いて、こちらの言葉が強くなると黙ってしまうし・・・こういうことも言わないほうがいいかな。

里予 言っていいですよ(笑)


◆放っておけない人たちがいる

──お二人の話を聞いていると、お互いが理解し合っているように思えます。
お二人で話していて楽しいことはなんですか。

里予 しょうもない笑いが好きですね。そうそう、主人は、器用に生きられない人を放っておけないんですよ。

──放っておけない人、今まわりにいますか。

利公 たくさんいますよ!
福祉施設の職員として
発達障害など方の就労支援をしているので。障害があるなしにかかわらず組織的な動きができない人の話をよく聞くと、そうをせざるを得ない理由がわかります持って生まれた過剰に敏感な個性、または過剰に鈍感な個性が多く、どちらも「普通」と言われる人から疎まれてしまう、その
理由がある。それを探してみると、なるほどねと思うことがあるんですよ。

里予 主人は、相手がもっとも相応しい場所で仕事ができるよう、損得抜きに心を砕いて支援しているところがすごいなと思って、話を聞いています。

──そういった利公さんの人間理解のようなものは、お母様の影響もあるのでしょうか。

利公 それもありますが、父親がアルコール依存症という障害者で、当事者家族でしたから。自分が中学生の頃から、酔って「金がなければ意味がない」と呟く父親に「人として一番大切なのは思いやりだ。一人で重ければ、二人で背負えばいいじゃないか」と人生を説いていましたね。母親は、そんな私には信仰的なことが合っていると感じて、佼成会での活動をすすめてくれたように思います。アルコール依存症の家族をもつと経済的にも大変でしたが、バンドの音楽活動は両親も否定しませんでした。


◆音楽と共に、万年青年の心で

──音楽で食べていこうと思ったことがあるのですか。

利公 いまだにありますよ!
仲間もいるし、披露の場もあります。今年からはオリジナル曲のバンド活動も再開します。

Man on the silver mountain by Rock道


──佼成会のメンバーが社会で活躍したり、外の世界につながって広く楽しんでいる様子も、ホームページをご覧のみなさんに知ってほしいですね。

利公 そうですね。偉ぶることをしたくないので、万年ド素人、万年青年だと思ってます。

──府中教会でもバンドの結成して披露したことがあると、大澤主任さん(前回のボサツ☆メンバー紹介)から聞きました。

里予 「アフリカへ毛布を送る運動」などを広めるために、バンド演奏で盛り上げましたね。
左:大澤一惠さん、中央:里予さん、右:利公さん

利公 府中教会の駐車場や、府中公園で演奏しました。
あの時代の特徴でしょうけど、リアルで集って、先輩幹部や仲間に人生のいろいろな解決方法を教えてもらう機会になりましたね。いまならネットで調べればわかることも、あの頃は会って教えてもらわなければわからないので、教会に行ったのだろうと思います。

──それは、府中教会のこれからの活動のあり方につながる話ですね。
たくさんの人がお祭のように集っていた時代から、今は信仰活動が変化つつありますが、インターネットでつながっているようでも孤独になる人もいます。リアルな出会いではなく、バーチャルに傾く現状はどう思いますか。

利公 使い分けだと思います。
LINEの文章では伝わりにくいことは会ったほうが分かりますし、バーチャルに疲れてくると、また集うようになりますよ。

里予 ここ何年か会っていなかった府中教会の仲間のことが気になっていたのですが、最近たまたま会うことができたんです。おかげで心情を分かち合うことができました。会うことによって深まる対話があると気づきました。
ただ、コロナの前は集うことに力を注ぎ過ぎて、疲れてしまうことがあったかもしれません。

──会うことで深まる関係づくりは大切ですが、会わなくてもできることの知恵も必要なんですね。
利公さんが昨年末に壮年支部副部長を受けられましたが、お役に対する今のお気持ちはいかがですか。

利公 支部の壮年さんが活躍できる機会を増やしたいという思いはずっとありました。支部部長さん、支部の壮年さんたちの支えになれる役だと思っています。

──ぜひ、これからも支部壮年サンガを盛り立ててください。
子どもの頃から様々なご苦労を引き受けてこられた利公さんですが、現在、父親として大学生と高校生のお子さんの成長を見守っておられると思います。ぜひお子さん方への思いをお聞かせください。

利公 一言では言い表せない程、私を幸せにしてくれてありがとう!

──里予さんもお願いします。

里予 私たちのところに生まれてきてくれてありがとう。出会いを楽しんで豊かな人生を!

──メッセージを受け取られたお子さん方の感想をきいてみたいですね。
では、出会いと対話のなかで相手への理解を深めているお二人のご活躍に、これからも期待しています。
ありがとうございました。
二人で何度もメロイックサインの練習(ふだんはしないとのこと)
※正しくは人差し指も立てるそうです。

info
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アフリカへ毛布を送る運動
※昨年2022年が運動の最終年でした。

これまでの38年間の取り組みで400万枚を超える毛布をアフリカへおくることができました。貧困や自然災害、紛争、HIV/エイズなどさまざまな問題で困難な状況にある人たちに直接的な支援をしてきました。
ボランティアとして人材を迎え入れて“人づくり”を行いながら運動を推進してきたことも大きな成果です。

1/01/2023

「健康は最高の利得」1月会長法話より

新年あけましておめでとうございます。
令和5年も、府中教会ホームページをお楽しみいただけましたら幸いです。



▼本年はじめの会長法話
 全文はこちらからどうぞ。
会長先生の前段のキーワードを受けた論旨の展開、
各ポイントを二つか三つに分岐させた文脈を
図解にしてみました。

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私たちはいつでも「元気」
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      ┏ 本(もと)
元日の「元」╋ はじめ
      ┗ 全体
 ↓
年のはじめに向こう一年の歩みを思い、
計を定めて心の土台を築く

<会長先生の今年の「計」>

みんなが「元気」な一年をすごせるよう工夫

「気」は万物生成の
 根源をなすもの  ┓ 私たちは
          ┣ 本質的に元気な存在で
天行は健なり(易経)┛ 健やか

┏━━━━━━━━━━━━━━━┓
 もともともっている
 「生のエネルギー」のはたらきを
 損なうようなことをしないで
 健康で元気に生きることが大切

┗━━━━━━━━━━━━━━━┛

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菩薩行は健康行
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┏━━━━━━━━━━━━━━━┓
  健康は最高の利得(法句経)
┗━━━━━━━━━━━━━━━┛
そのあとにつづけて釈尊がおっしゃるには・・・
┏ ①満足は最上の宝であり
┣ ②信頼は最高の知己であり
┗ ③ニルヴァーナ(貪瞋痴を滅した境地)
  は最上の楽しみである

上の三つに対応して、
健やかで、安らかなな身心を
与えられていることを十全に生かすための
大切なことは、
┏ ①足ることを知る
┣ ②まわりの人と仲よく
┗ ③欲や怒りや自己中心の心に
  ふりまわされないこと

だれでも
病気になったり老いたりするのは自然
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
→患わないことや体の機能に支障がないこと
 だけが健康ではない
┏━━━━━━━━━━━━━━━┓
 生かされていることに感謝し
 調和のなかで
 安心して生きられることが
 人間にとって最高の利得

┗━━━━━━━━━━━━━━━┛
→すなわち真の健康
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
会長先生がおっしゃる
私たちにとっての健康状態
┏━━━━━━━━━━━━━━━┓
 自分が生きていることによって
 世の中の悲しみが少しでもなくなり
 世の中の幸せが少しでも多くなる
 ようにと念じて生きること

┗━━━━━━━━━━━━━━━┛
それを現実にあてはめると
 ↓
六波羅蜜の┏ 日々の大切な精進
  菩薩行┫  
     ┗「健康行」
      ┣ 自分本来の元気を活性化
      ┗ 人さまにも元気を与える
┏━━━━━━━━━━━━━━━┓
   「康福(こうふく)
 世界じゅうの人びとの
 心康(やす)らかで健やかな日々と
 福(さいわい)を願って
 私たちの「元気」を大いに
 はたらかせましょう。
┗━━━━━━━━━━━━━━━┛


みなさんの一年の計はなんでしょうか。

私は、府中教会のみなさん、地域のみなさんが元気ですごせるよう、工夫をさせていただきます。
それには、たくさんの様々な声を聴いて、対話してまいりたいです。
本年もよろしくお願いします。合掌
(佐藤)

info
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<1月 府中教会 開放日>
開放日の10001130に参拝いただけます。
参拝される際は、担当主任までお知らせください。
※感染拡大の状況により、急きょ閉館となる場合もあります。
開放日(参拝可)=白い欄



12/19/2022

「フードバンク府中」とつながる一食地域貢献PJ

「一食(いちじき)地域貢献 プロジェクト」では、地域社会のさまざまな課題に目を向けて、困難な状況に直面している人々に寄り添い支えていこうとする志を持った団体に支援をすることを主眼としています。
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12月18日、令和4年一食地域貢献プロジェクト贈呈式が行われました。
寄付金の贈呈先は昨年に引き続き、フードバンク府中に決定。目録贈呈と、照井代表の挨拶をいただきました。




フードバンク府中 照井代表よりご挨拶

この日の午後、府中公園で食料配布があるとうかがい、さっそく壮年部長たちが駆け付け、食料をお届けしました。


府中公園での食品配布と相談会
フードバンク府中の活動はこちら。
活動報告 - フードバンク府中

これからも地域とつながる府中教会として、ご縁を紡いでまいりたいです。

info
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▼フードバンク府中

▼一食を捧げる運動
一食を捧げる運動とは