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11/01/2022

「みんなの幸せを願う心 ── 智慧②」11月会長法話より

むずかしいことをやさしく、
やさしいことをふかく、
ふかいことをおもしろく、
おもしろいことをまじめに…
(作家・井上ひさし)


今月号は会長先生が、「仏教思想ほど『やさしく、ふかく、おもろしろく』伝えることが難しいものはないかもしれません」と前置きをしたうえで、「空(くう)」をわかりやすく伝える先達の言葉をご紹介くださっています。

「『空』とは『無』とは違って、ないのではなくて、そこに存在はするが『性格づけ』されていない」ことを意味する。
(著述家・小林正観)
▶幸せな現象や不幸な現象があるわけではなく、「そう思う心があるだけ」ということ。
だから、現象に性格づけなどせず受け容れてしまったほうが楽に生きられますよ。

「この宇宙に存在するもので、なくていいものは一つもない」
それは「空」と同じ見方。

(仏教思想家・ひろさちや)
▶しなくてもいい無用な差別と、必要な区別の違いを判断できる智慧をもつ。
そのうえで、すべてのものに仏のいのちが宿っていると見る見方。

なにごとも自分勝手に考えないで、人に対しても、ものごとに対しても、そのあるがままを尊重しながら考えをまとめ、判断する、そういう智慧が私たちにはある。

「自分の幸せを願うなら、まず自分のまわりの人や世の中の安穏を祈りなさい」
(日蓮聖人)
智慧を含む六波羅蜜の教えも、慈悲のはたらきを六つに分けたもの。
すべては人さまを思う利他の実践に結ばれます。

今月は智慧の眼でものごとを見きわめ、慈悲の心からの、利他の道を歩んでまいりましょう。
合掌

▼会長法話全文はこちら

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冒頭の井上ひさし氏の文章にはその後がある。
以下、ひさし氏の三女で、劇団こまつ座を引き継いだ井上麻矢さんの著書より引用。
「まじめなことをだらしなく、だらしないことをまっすぐに、まっすぐなことをひかえめに、ひかえめなことをわくわくと、わくわくすることをさりげなく、さりげないことをはっきりと」と続いているのだ。常に裏と表があり、その両方を網羅してものを見ていたのだろうか。
(『夜中の電話 父・井上ひさし最後の言葉』井上真矢/集英社文庫)

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